「はいはい。わかりましたよ星羅様。まぁとにかく強敵が来るってことだろ?」

「そうよ。って言うことで私もそろそろ全力を出すわ。テレビとか雑誌のインタビューも全部断る。ショパンコンクールまであと1年ちょっとしかないのに日本でしか認められてないなんてどうにもならないでしょうからね。森本紗夜!」

「は、はひっ!?」

「今こそ本気で勝負よ。幕張国際音楽コンクールは絶対に負けないから。紗夜に勝つだけじゃない。優勝よ。他国相手に負けてられるもんですか」

自信に満ち溢れ、闘争心に燃えている。星羅ちゃん。

その姿が妙に神々しく見えて、しばらく見入ってしまっていた。

「聞いてるの?」

「き、聞いてるよ。私だって負けるもんですか。目標は世界1位だもん」


だから先生.....。

一緒にショパンコンクールに行きましょう。

その目で確かめてください。

私があの舞台で優勝を勝ち取る瞬間を。

あなたが育ててくれた私が世界一になる瞬間を。