長い間のお辞儀から顔をあげ、もう会場は見ずに舞台袖に戻った私。

途端に激しい痛みが走った。

「いった.....っ」

「いったじゃないわよ。私がどれだけあなたを待ちわびたと思ってるの.....?ほんとにもう、心配したんだから.....」

「星羅ちゃん.....っ。ごめんなさい。本当にごめんなさい。何回謝っても許されることじゃないってわかってるよ。でもごめんなさい」

「私は謝っても許さないわよ」

「.....うん」

「でもまたライバルに、親友になってくれるなら許してあげるけど?」

「星羅ちゃん.....」

その優しさがたまらなく嬉しくて涙が止まらないまま、抱きついた私。

星羅ちゃんはそんな私をしっかりと抱きとめてくれた。


「紗夜.....っ」

「惺くん.....」

「よくがんばったな」

「.....うん」

「ちょっと待ちなさい。惺は知ってたの?」

「あ」

「あ、じゃないわよ。酷すぎるわよ紗夜。私には言わなかったのに惺には言ったと言うの?」

「違うんだって。言ったんじゃなくてバレたというか.....」

「そうだ。俺がたまたま聴いちゃったんだよ」

「なにを?」

「紗夜のきらきら星変奏曲」