「そ、うなのかな……」

「理想が高くなってんじゃない?」

「でも、それじゃいつになっても彼氏出来ないじゃん!」

「無理して作るもんじゃないでしょ!」

「確かにそうだけど、高校生だし彼氏がいた……」

"彼氏がいた方が楽しいじゃん!"的な言葉を続けようとしたところで、





「それか、本当は他に好きな人がいるとか」

半分呆れ顔のマリの台詞に一瞬思考が停止する。




私の頭に思い浮かんだのは──、誰だった?





「ち、違う!」


自分自身、何に対して苛々しているのか。

何が気に入らないのか。

目の前には眉間に眉間に皺を寄せたままのマリが首を傾げていた。


考えれば考える程、認めたくない答えに近付いく。