「えっと、ハナちゃん嘘付く時って首に手当てるよね……」 「は?」 「あれ?違った?」 「手なんて当ててないし」 「や、当ててるよ」 「当てていないってば!!」 「あの時だって……」 「あの時って?」 「た、田所先輩の……」 リキの瞳が戸惑うように大きく揺れて、 「なに?」 「田所先輩の時も、気にしないって言って首に手を……」 声が小さくなっていくのが分かった。 苛々する──。 なんでリキなんかに知ったように言われなきゃなんないのか。