リキとはじめて同じクラスになったのは、小学校5年生の頃。もちろんリキの存在は有名だったし、1年生の時から知っていた。


「お前、すぐ泣くよなー!」

「男のくせにさ」

その頃から泣き虫だったリキは、クラスメートの男子逹からかわらわれる対象になっていた。

当時、喧嘩っ早かった私は男子と混じってリキをからかっては、何でも言うことを聞かせていた。


「ジャンケンで負けた奴が、次の電柱まで皆のランドセル持つんだぜー」

もちろん最初にチョキを出すリキが負けて、泣きながら歩くリキを見ては皆で盛り上がる。そんな事は日常茶飯事で。
当時はリキの事をウザイとか面倒臭いとか、そういう風に感じた事は無い。ただ、ちょっとからかえばすぐ泣くリキにちょっかいを出すのが面白くて仕方が無かったんだ。