「リキ、泣かなくていーよ」

素直になれない馬鹿で乱暴な私なんかのために、リキは涙を流す……流してくれる。


そんなリキの頭をゆっくりと撫で下ろせば、ふわふわな髪の毛が顔の目の前で揺れるからくすぐったくて。
リキの額に自分のおでこをコツンと当ててから、ゆっくりとキスを落とした。




「あ、止まった」

「……」

「キスすると止まるんだね」

「ハ、ハナちゃん」

「あはは、面白いじゃん」


目の前には、瞳ををこれでもかっていう位に大きく見開いているリキがいる。
なんでだろう。それだけで、胸はまだ痛い筈なのに口元が緩んで少し心が軽くなっていくのが分かった。