「まぁ、確かにねぇ……。アイにしては出来の良過ぎる彼氏だったよね」

「マリ。一言多いよ?」

苦笑いに続けられるマリの台詞に口を尖らせれば、


「だって、口より先に手が出るアイにあの爽やか先輩だもんねー」

なんて笑い話にされて、教室にマリの笑い声が響き渡る。


「何よそれ!」

「あー、でも……だからさぁ。今日リキが教室でおかしかったのって」

「……」

確かに、リキは朝から挙動不審だった。

キョロキョロしながら教室のドアを開けて私の顔を見れば、リキの頬は面白い位に真っ赤に染まっていく。
明らかに昨日の出来事を意識しているのが面白い位にすぐに分かった。