「花田。お前、職員室な」

「え?」

なんて担任に言われたのは、帰りのHRが終わった後。


「今回の数学と英語と古文と社会ヤバいぞ」

放課後の職員室で担任のテーブルの上に並んでいるのは、テストの答案用紙。

回答用紙はびっちり書いてあるのに、見事に中間点も頂けなかったという残念な点数達が並ぶ。
そのテストの名前の欄には、しっかりと私の名前が記載されていた。


「追試で合格点取らないと不味いぞ」

「はーい」

やけに深刻な顔をしているけれど。


「本当にマズイからな?」

「はいはい、すみませんでした」

たかがテストで先生ってば大袈裟なんだから。
なんて小さく溜め息をついたところで。


「追試が合格しないと、本当に夏休み補修になるからな?」

職員室に響いた先生の言葉に耳を疑った。