先輩の彼女

「先輩、疲れてないんですか?」

「疲れてるよ。だから書店周り終わったら、どこかで寝てくる。」

思わず吹き出してしまう。

「どこかって、どこですか?」

「さあ。」

そう言えば、公園でよく昼間寝てるサラリーマンを見るけれど、あれってこう言う事なのかな。


「じゃあ、頑張れよ。斎藤。」

「はい、先輩も。」

「おう!」

朝、書店周りに出る前に、間野さんと話せるなんて、ラッキー。

ちょっと足取りも軽く物品庫から出て、昨日取りに行った本を片手に、部長の元へ。

「部長。昨日の書店にこの本を置いて、その足で書店周りに行って来ます。」

「ああ。今日も頼むよ。」

「はい。」

朝から機嫌がいい私を、周りの皆が、ジーッと見てくる。

「ん?」

「いや、行ってらっしゃい。」

「はい。行って来ます。」

こんな気分で仕事できるなんて、いつぶりだろう?

もしかして、社会人になって初めて?