先輩の彼女

「もう!人の揚げ足、取らないで下さいよ。」

「はいはい。」

私が少しだけ、口を尖らせたところで、朝礼は始まった。


ちょうど、私の目の前に、間野さんの背中が見える。

シャツを通して、中の肌色が見える。

暑いから、ワイシャツ一枚なのか。

いいなぁ。

私もできれば、シャツ一枚でいたい。


そんな、朝礼や仕事とは一切関係ない事を考えているうちに、朝礼は終わった。

私は直ぐに、物品庫に行き、今日まわる分の販促グッズを袋の中に入れた。


「やる気満々だな。」

声のする方を見ると、間野さんも販促グッズを、取りに来ていた。

「先輩だって。」

「俺は時間配分を気にしてるだけ。」

「時間配分ですか?」

「午前中に仕事が終われば、午後はのんびりできるだろ?」

なるほど。

間野さんらしい。

って、何感心してるんだか。

午前中よりも、午後の方が時間が長いのに。

一体、何しに会社に来てるんだ?