先輩の彼女

ハーレム上々!

一人の男性を奪い合う美女達が、私の心を踊らせていたけれど、今思えばその本は、月島社のものばかり。

就職してから分かった、出版社の力関係。


「あっ、浅野先生!」

私は1冊の本を手に取った。

浅野真子先生。

我が東洋出版、レディコミ界のホープ。

私も編集部にいた時、何度か編集に携わった先生。

うん。

なんだか、元気が出てきた。


すると、棚の近くで作業をしているお店の人、発見。

私は持ってきた紙袋の中から、今度デビューする期待の新人のポップを出し、その人に近づいた。

「すみません。」

「はい?」

「私、東洋出版の者です。いつもお世話になっております。」

私はその人に、名刺を渡した。

「ああ!いつもお世話になっております。」

物腰の柔らかそうなその女性は、主婦みたい人。

でもちょっと妖艶で、ハーレムモノだったら、最初に王様の気持ちを掴んじゃうような人?