先輩の彼女

そして、1か月後。


「斎藤。この売り上げ目標で、上がいいって言うと思うのか?」

「そんな!」

「レディースだけ10,000冊を超えてないって、恥ずかしいだろ。せめて2,000冊にしておけ。」

「無理です!」

「無理?おまえ、仕事舐めてるのか?」


新人で先月よりも売り上げがいいなんて、すごい事なんだぞと言っていた間野さんはどこ!?

その新人に、今までの2倍以上売れって、どこまで悪魔なの!?


「あーあ。先輩って、仕事の時は鬼ですよね。」

すると間野さんが、周囲を見ながら、私に顔を近づける。

「仕事の時はって言うな。関係がバレるだろ。」

「はーい。」

もちろん、間野さんの命令で、私達が付き合っている事は、内緒。

結婚が決まってるんだったらまだしも、別れたらどうするんだ?と、これまたそっけない理由。


「あれ?また二人、イチャついてる。」

白石さんの声が、辺りに響く。