週明け、間野さんはいつも以上に、冷たかった。

「斎藤。おまえ、POPの送り先、間違えたな。」

「えっ?」

月曜日の出社早々、私の心臓はもたないくらいにドキドキ。

「今朝、電話があって。POPが届いてないってよ!」

「ひぇっ!」

「ひぇっ、じゃない!今すぐ届けに行け!」

渡されたお店の名前は、隣の県。

最悪だ。


「今すぐ準備します!」

休憩室の奥の部屋に走って行き、数を確認。

よかった。

まだ残ってた。

それを封筒に積め、地図を開いた。


「斎藤さん、何で行くんですか?」

心配した白石さんが、地図を指差した。

「ここ、電車とか通ってませんよ?」


えっ!?

そーっと間野さんを見ると、相変わらず睨みをきかせた無愛想顔。

「今回は、車出さんぞ。」

「ええー!!」

「間野先輩、それはないですよ!」

なぜか白石さんと一緒に、間野さんに抗議。