「……それはいーや」 陽斗くんがうちの隣にやってきたのは1ヶ月前。 いつも、目元を緩ませて凄く優しい笑顔をあたしに向けてくれる。 最初は優しいお兄さんだと思った。 会う度に声をかけてくれる、話しやすくていいお兄さんだと思った。 あたし、菅原 沙智(サチ)。 小学4年生、10歳。 自分でいうのもなんだけど。 この人、隣に住む男子高校生の陽斗(ハルト)くんに、かなり気に入られていると思う。