彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「突入、今すぐしたかったらしてもいいですよ。こっちは親切で言ったのに・・・。さようなら。」

「あ!?おい!待て!」



淡々と、何事もなかったように立ち去る子供。

思わずドアを開けて呼び止める。



「どこに行く!?」

「張り込みは、目立っちゃいけませんよ?」

「だったらお前も動くな!向こうにバレる!」

「バレませんよ~」



首だけで振り返ると、マスクで隠れた顔が笑う。





「今、お店の中のネット関係の半数は、フリーズして画面が固まってますから、直すのに夢中ですよ。」

「な!?」

「30分後には、Wi-Fiが完全に遮断されるから、踏み込むのに最高なんですけどね~」

「な、なに!?龍志達にそこまで―――――――――――!?」



(出来るか!?)



違う。



(いや、できるはずがない!!)





刑事の勘が告げる






「お前は誰だ!?」

(龍志の仲間じゃない!!ただのガキじゃない!!)






俺の問いにガキは微笑む。






「通りすがりの龍星軍です。」

「と!?りゅ!?」






ほんわかとガキが答えた瞬間、俺の携帯がなる。




タターン!タターン!


「な、なに!?」

「おい、岸さん!さっきからなにやっ―――――――え?電話?」




俺だけじゃない。




プルプルプル!

ヴーヴーヴー!

ピーピーピー!




駆け寄ってきた仲間達の、その場の全員のスマホがいっせいになりだす。




「だれから・・・!?」

「知らない番号だ。」

「俺もだ。」

「登録してない番号だぞ・・・」




非通知の表示に、他の仲間を見れば、同じ文字が表示されていた。





「・・・・もしもし?」

ブツッ!





出た瞬間、電話は切れた。




「切れたぞ!?」

「俺もだ!」

「どうなってるんだ!?」




全員にまったく同じことが怒る。




「なんだったんだ・・・・・!?」




一瞬の出来事に間が出来る。





「――――――――――――あのガキは!?」





我に返った俺が、慌てて周囲を見渡すが





「いない・・・・!?」





そこに『龍星軍』を名乗った子供の姿はどこにもなかった。