「的前は、矢を持つだけで、

あとはなんにも変わらないよ。やってみて」

巻藁矢が四矢に変わっただけで変わらない。

「そのまま真っ直ぐ押して....」

とべっ!!!

「よしっ!!!」

...中った。

中った...の?呆然としたまま長い間残心をとる。

「いい感じだね。そのまま頑張って」

「.....はい...」

中った感覚がまだ私のなかに残っている。

じんわりと押手に力がこもっているのが分かる。

こんなに気持ちいいんだ。中るのって。

「「「的前おめでとー!!」」

そんな私が感動に包まれているとき、

射場の裏から、叫び声が聞こえた。