その紙には、花の名前と花言葉が色々と書かれている。悠梨は、その紙に目を通した。

「……これだ！」

「これって、どういうこと？」

たまたま近くにいた颯介が、部屋に入ってくると悠梨に近づく。

「彼岸花の花言葉だよ！」

紙を2人に見せ、とある文字に指を指した。

「……曼珠沙華？あ、そっか……彼岸花って、色んな別名があるんだっけ」

颯介が呟くと、悠梨は頷く。彼岸花はたくさんの別名を持っており、その一つが「曼珠沙華」だ。

「彼岸花の花言葉は――」



今日の捜査を終え、新藤刑事に研究所まで送ってもらったとき、颯介は新藤刑事に近づいた。

「……今日は、所長も含めた全員で、どこかへ食べに行こうよ！もちろん、新藤刑事の奢りで！」

「何で俺が……？」

新藤刑事が呟くと、颯介はニヤリと笑って新藤刑事の耳元で囁く。

「新藤刑事が奢ってくれるなら、新藤刑事は悠梨の隣に座らせてあげますが……」

颯介の言葉に、新藤刑事は顔を赤くした。颯介、智樹、新藤刑事、武は、悠梨のことが好きなのだ。

「うっ……や、約束だぞ！」

颯介に向かって言うと、颯介は「分かりました」と意地悪そうに笑った。

この日、新藤刑事が一万円近く支払ったのは内緒の話。