「ちさきー、ご飯できるからお味噌汁盛ってー」

「…はーい…」



その日の夜。


青葉先輩が負傷したあのあと、理央先輩が臨時キャプテンとなって練習を行った。

セッターは梁井くんが務め、朝陽や大和が中心となって周りを鼓舞する。…笑顔も溢れ、いつも通りで。


朝陽は口数も少なく落胆しているわたしを見て、「そんな顔してたら青葉先輩が戻ってきたとき告げ口するぞ」と笑いながら言っていた。

…彼らしくわたしの背中を押してくれたこと。それはよく分かっていた。



(…大したことないといいけど…)



豆腐とわかめのお味噌汁をお椀に盛りながら、考えるのはやっぱり青葉先輩のこと。

…携帯にメッセージを入れてもいいだろうか。今の時間だから診察は終わってると思うけど、…もう少し待ってからの方がいいかな…、



――ピロリンッ



そんなことを思っていた矢先、テーブルに置いていた携帯が鳴った。