◇
「うぇっ、さみー!!」
「隼人さんマジいつまで来るんすか?暇なんすか?え?」
「暇だよ悪いか!!」
「はいはい朝陽、始めるよ」
「うぃーっ」
「理央さん隼人さん、よろしくです」
「「はいよー」」
12月の中旬。
世間はクリスマスに向け、なんとなく浮足立っているようにも感じる。
そんな中で今日も今日とて練習の立花バレー部。寒さにも負けず身体を動かし、半袖の部員もいるくらいだ。
――…春高予選のあの日をもって、3年生は引退となった。
新キャプテンに就任したのはイズ。…多分部員全員が分かってた。
寂しくなるなぁなんて最初は思っていたけれど、進路が決まった理央先輩と隼人先輩は毎日のように部活にきてくれている。
朝陽も完全に隼人先輩に対して憎まれ口を叩きまくっているけれど、嬉しそうなのがひしひしと伝わってくる。彼もまたいっちゃんと同じくツンデレなのかもしれない。
「ランニング始めー!」
「「はい!!」」
――…青葉先輩も、たまに部活に顔を出してくれていた。