県内最大の広さを誇る、市民体育館を貸し切って行われている春高予選。

100を超える高校が、たった1枠という未来を掴むために今日まで努力を積み重ねてきた。



――…立花は、堅実に目の前の1点を積み重ねていった。



1回戦、2回戦、準々決勝、準決勝。

武器であるスピードバレーを軸に、粘りのレシーブ力も磨いた。


セッターの梁井くんを中心に、少しの隙も見せないバレーボールを展開していった。



攻守ともに安定感を見せた立花。青葉先輩がコート上にいなくとも、強い。

“藤枝青葉がいなければ勝てる”と言っていた者たちは、立花のバレーに慄き呆然としていた。



――…そして、立花は。



ピピーッ!!



「「ありがとうございました!」」



1セットも落とすことなく、決勝へ駒を進めたのだった。