そしてわたしは
青葉先輩のお姉さんであるあやめさんに会ったことと、話をして青葉先輩の面会に行かせてもらうことを話した。
わたしよりずっと長く彼の傍にいる理央先輩や隼人先輩、ずっと彼を見てきた監督や阿部先生を差し置いてお見舞いに行こうとしている。
快く思われなくても当然で、仕方ないことだと思っていたけれど、彼らはあたたかく「頼むぞ」と言ってくれた。…わたしはその言葉に泣いてしまったのだった。
――…春高予選までの時間は平等だ。今日という日が、今という時間が一番本番から遠くて、その代わりに最も準備ができる。それを日々繰り返していく。
選手には一日一日を大切に、バレーに向き合っていてほしい。オフや練習前後の時間は身体をしっかり休めながら過ごしていってほしい。そんな思いとともに伝えた。
わたしはみんなのように、ボールを追うというかたちで青葉先輩を想うことはできない。
だからこそわたしにできることを全力でやらせてほしいと言った。……そしたら拍手が起きて、最初に拍手をしてくれたのは梁井くんだったことに気が付いた。
みんながみんな、青葉先輩を想って、日々を駆け抜けようと誓った。
――…そしてわたしは、あの日以来初めてお見舞いに行く日を迎えた…。