――…まず、千秋先輩からバレー部に話をしてもらった。監督と阿部先生もいる前で。

彼はわたしに話してくれたように、真っ直ぐに一人ひとりの瞳をしっかりと見つめながら。


青葉先輩が理央先輩とわたしに二度と来るなと言ったのは、面会制限を出していたのは、連絡先を消したのには、すべて理由があると。


皆が静かに泣いていた。藤枝青葉というひとをよく知っているからこそ、自然に頬を伝う涙を堪える者はいなくて。それでも思うことは皆同じだった。「彼らしい」、それに尽きた。

爽やかで穏やかで、けれども深い。凪いだ海のような青を体現する彼らしいと、誰もが思った。



理央先輩と隼人先輩は「そういうことか」と泣きながらも笑顔を見せていた。

そして「とりあえず一発殴る準備だけしておくわ」と言っていて、その優しい声色は彼らの絆を表しているようだった。


2年生はみんな「青葉さんに絶対ラーメンおごらせる!!!」と意気込んでいた。

気を遣ってほしくて2年間ともに過ごしてきたわけじゃない。口をへの字にしてそう言い切った。

…彼らの言うことは何も間違っていないなと、わたしはそっと苦笑いをこぼした。