「今日は携帯が忙しいな…」



涙をぬぐいながら、再度携帯に目線を落とす。

…メッセージ、電話、メッセージ。数日分のものを受け取っているのではないのだろうか。



【石川沙絵:ちさきおつかれ!今大丈夫?】

【笹森ちさき:沙絵ちゃんこんばんは!何かあった?】

【石川沙絵:明日、学校早く来られる?なんか千秋がどうしてもちさきと話したいって】



「……ん?…えっ!?」



羅列された文字に、思わず驚いた声が出てしまう。

…千秋先輩。沙絵ちゃんのお兄さんの千秋先輩が。なんで、わたしに…?



【笹森ちさき:沙絵ちゃんわたし何かやらかしたかな】

【石川沙絵:何もやってないよ大丈夫!人が多い時間帯になると面倒だから、申し訳ないんだけどって言ってるわ】

【笹森ちさき:それは全然大丈夫ですって伝えて!8時前には学校行くね!】



…千秋先輩。学校で会ったら必ず挨拶はするけれど、本当にそれだけで。考えても見当がつかない。

明日は朝に千秋先輩と、昼休みに梁井くんとお話をする。大切な一日になりそうだ。