「今回は決して軽い怪我じゃねぇし、難しいものだってのも分かってる。…生きがいで自分のすべてだったバレーが急にできなくなって、どん底に居るのも事実で、軽々しく言っていいことではないのも理解してる。……でもこういう時だからこその俺たち仲間なんじゃねぇのかな」

「……っ…」

「本人じゃねぇから青葉の辛さを100パーセント理解するのは無理だ。何が分かるって言われちゃ何も分からねぇ。……けど、一人で抱えてるその辛さを、共有させてもらうことは出来ると思うんだ」

「…うん」

「俺たちにできることは、あいつがいつでも帰って来られるようにしておくこと。相応の力をつけておくこと。そしてあいつを信じて、一緒に乗り越えていくこと。……だと、思う」



――…青葉先輩。

今、病院に居るのかな。お家に居るのかな。何をしているのかな。


それすらも、何も…分からないけれど。



「俺この前青葉のユニフォーム着て背番号1番つけてたけど、あれ二度と着ないわ。自分の似合わなさにびっくりしたよね」

「…理央さん?」

「キャプテンマークは俺の2番の下にテープでも貼っておく。1番は青葉しかいないし、あいつが帰ってくるまで1番不在で戦いたいんだけど、みんなどう?」

「「「っ賛成!!」」」

「ははっ、じゃあ決まりだね。…改めて、18人で全国に行こう。そのために個人が出来ること、チームが出来ること、みんなで考えて、みんなでしっかりやっていこう」

「「「はい」」」

「みんな、よろしくね」


「「「よろしくお願いしますっ!!!」」」




――…わたしも、自分にできることを、精いっぱいやります。


藤枝青葉というひとが、だいすきだから。