「…………ちょっと、ストップ。」
階段を上がって、武道場の前まで来た途端体が震えた。
「逃げんな!」
そんな俺に渚が大きな声で言う。
「お前このままずっと剣道やらないつもりかよ。それって、咲良が1番悲しむんじゃねえの?」
そう言われて、何も言葉が出なかった。
そっと、ゆっくり、武道場に入る。
すごく久しぶりな気がする。
「…………ああ。」
思い出が蘇ってくる。
一緒に防具をつけた。
早く来て2人で練習した事もあった。
試合して、負けて本気で悔しがってた。
小さい時から何も変わらない
負けず嫌いで強がりで、努力家。
そんな咲良が大好きだった。
誰よりも愛してた。

