そんな事、思ってる場合じゃない。


「もう、関係ないから、やめて下さい。」

「はあ?なんだよ、意味わかんねえよ。」


意味わからない。

そりゃそうだろう。


だって、秘密にしたいんだもん。



あたしがしばらく黙ってると誠也が車椅子のあたしの視線に合わせて屈み、あたしの腕の上に手を乗せたから

「やめてっ!!!」

それを払って、あたしは車椅子から立ち上がった。


周りにいる人みんなが見てる。



「お願いだから、こないで!!」


車椅子を誠也に押し当てて、あたしは走った。


病室まで走って、ベットに入った。

車椅子は転倒防止、歩けないわけじゃない。