不意に千夏が呼び掛ける。 声のトーンがさっきのと微妙に違うのが気になって腕を解いた。 「…ねぇー、それはそあおちゃん何で葉っぱ持ってんの?」 「へ?」 千夏の言葉に俺は自分の手に目を落とす。 すると、そこには形のよい青々とした葉っぱを一枚握っていた。 「…………」 自分でも思い出せない。 何で葉っぱなんか持ってんるんだ?俺? そもそも、何で自分は自販機の前で座り込んでいるんだ? 様々な疑問が脳裏を過ぎった。 が……考えるのが面倒になった。