「ひっ!!」


叫ぶことも出来やしない。


本当の恐怖の前では、小さく声を漏らすことが精一杯。


「こコにも、おイシそうな肉!」


急に手を伸ばし、私を掴もうとしたイーターに、慌てて包丁を振り上げたけれど……恐怖で手の力が緩んでいたのか、イーターの手首を少し切っただけで、弾かれて廊下に転がってしまったのだ。


そして肩を掴まれて、私に覆い被さるように窓から飛び出したイーター。


「い、いやああああっ!!」


杉山先生の上に押し倒されて、私に食らいつこうとする。


私はなんとか、もう片方の手に持っていたフライパンを、その大きな口の中に突っ込んだけれど、力が凄い。


「フガ! ハガフファ!」


このフライパンが外れたら私は終わり。


茂手木のように食べられてしまう!


でも、このイーターの力もヤバい!


人間の腕や脚を引きちぎるくらいだから、これ以上力を入れられると。


強引に、さらにフライパンをイーターの口に押し込むと、さすがに嫌がったのか、私の肩を掴んでいた手が外れた。


この隙にと、包丁を探したけれど……私が暴れている時に蹴飛ばしたのか、ここから3メートルは離れた場所まで移動してしまっていた。