少し混乱していて、私が言いたいことの全ては伝えられない。


それでも、雄大は私が何を言わんとしているかを察してくれたみたいで。


「と、とりあえず隣の教室の時計を見てくるんだ。俺は1組を見てくるから、芹川は3組を見てきてくれ」


「う、うん」


多分……いや、ほぼ確実に答えはわかってる。


わかってる答えを確認しに行くということは、私達がこの状況に追い詰められるということで。


出来れば知らずに、少しの希望でも持っていたかったけど。


教室を出て、3組の教室に入って時計を見る。


時間は6時3分。


それぞれの時計の差はあるものの、大体同じ時間で秒針がピクリとも動いていなかった。


元の教室に戻ると、雄大も同じタイミングで帰ってきて。


「その顔。やっぱり6時過ぎで止まってたんだね」


何も言わなくても、そうであることがわかった。


「わからない。これは全ての時計が止まっただけなのか、それとも俺達が6時過ぎの世界に取り残されてしまったのか」


そんなの、考えてもわかるわけがない。


誰が教えてくれるわけでもないし、答えを知っている人なんて、そもそもがいないと思うから。