「……殺す……しかないんじゃないか?」


そんな中で、ボソッと呟いた真倫ちゃんの言葉に、皆が驚いた様子でその顔を見た。


「こ、殺すって……山瀬! あんたわかってんの!? 唯乃はまだ生きてるんだよ!? それなのに殺すって何考えてんのよ! この人でなし!」


それに猛反発するのはやはり高下。


私も、さすがに真倫ちゃんの意見には賛同しかねる。


「真倫ちゃん。高下さんの言う通りだよ。茂手木さんはまだ生きてるんだから……」


「『まだ』生きてるだけだよ。ほら、こんなに血溜まりが出来てる。私たちみたいに無傷でいるわけじゃない。死にそうになって、それでも死ねなくて。深い痛みと苦しみの中にいるんだ。いっそ死んだ方が、茂手木は幸せかもしれない。これ以上、苦しまなくて済むんだから」


その言葉に、誰も反論出来なかった。


私達が、茂手木さんは生きていると言い続けて、どれだけ生きるように励ましても、本人は死にたいと思っているくらい苦しんでるのかもしれない。


だけど、だからと言って「じゃあ殺そう」なんて、簡単には言えない。


私達は……何が間違ってて、何が正しいかという判断さえ出来ないと、こんな状況になって思い知らされた。