「どうして僕は、彼らを守れなかったんだろう。神岩様の前でだってそうだ。雄大くんが動いた時、僕は震えて動けなかった。愛莉ちゃんが大河くんの手を引いていたのに、僕はそれよりも早くに逃げ出した。桐山くんだって、僕がもっと注意深く交番の中を見ていれば……全部、僕の責任だ」


春瑠さんが苛立つ理由はわかる。


わかるけど……何もかもを自分のせいだなんて思わないでほしい。


「春瑠さん、そんなふうに考えるのはやめてください」


「慰めはよしてくれ! 年長者の僕が、もっとしっかりしていれば!」


「そうじゃなくて……皆の死を、春瑠さんの責任だとか、そんな言葉で片付けないでほしいんです」


なんだか失礼なことを言っているのはわかっていたけど、どうしても言いたかった。


「え、え? 僕の責任じゃ……納得できないのかい?」


「あ、ご、ごめんなさい。そうじゃなくて。雄大も大河くんも桐山くんも……3人だけじゃなくて、この学校に逃げ込んだ私の同級生達も。きっと山中だって、死にたくはなかったはずです」


少し残ったお弁当の上に箸を置いて、身体を春瑠さんに向けて私は話した。


「人を守る為に、守る力を手に入れる為に、奪われた命の為に、皆戦って、命を落としたんです。誰だって死にたくなかった。でも、死んでしまったんです」