「ぼ、僕のせいなの? 赤ちゃんが死んだのも、あの人が落ちたのも、こうなったのも僕のせいなの!?」


真倫ちゃんを掴む手が、さらに強く、そして震えている。


「大丈夫……大河くんのせいじゃないよ。大河くんは、必死だっただけなんだから」


そう言って、優しく大河くんの頭を撫でた真倫ちゃん。


ガリガリと、ドアを引っ掻くような音が背後から聞こえる中で、私は考えていた。


雄大が言うように、山中と風雪が電気を点けたからイーター達が集まったのだろう。


だけど、風雪が赤ん坊の遺体を投げ捨て、大河くんが山中をここから落としたから、イーター達がざわめき立った。


真倫ちゃんだって、山中を怯えさせたわけで。


そして、私と雄大が一階のドアを開けなければ、もしかしたらイーター達は入って来なかったかもしれない。


誰もが何らかの形で関わっていて、責任がない人はいないのだ。


庇ってくれる大人はいない。


子供の私達が、自分の行動の責任を取らなければならない状況だ。


「ふざけんなよ! そのガキのせいだろ! 竜也がいれば、あんなやつらどうにかなったかもしれないのに」


確かに、あの人がいれば、イーターと戦うのに役に立ったかもしれない。


でも、その為に武器を持たせたらと考えたら……今度は、イーターよりも脅威になりそうな気さえした。