「直央には言ったの?」 直央は、私の弟。 今中学三年生。 「まだだ。今日言おうと思ってる」 「·····受験もあるのに」 「本当に申し訳ない」 「·····謝らないで。お父さんが悪いことしたわけじゃないんだから」 転勤する職業なのは理解してるつもりだし、そうなることは予想してた。 多分それは直央だって同じ。 「ごめん。部屋に戻るね」 ただ、私はリビングにもういたくなかった。