このプレゼント攻撃は10日に一回くらいあり、服や花、バッグなどをもらっている。
いつも私好みのものを用意してくれるので、どなたか女性のアドバイザーでもいるのかと聞いたところ、すべて三実さんが選んでいるとのことだった。
私の顔を思い浮かべながらセレクトショップやハイブランドのお店を回るそうで……。

そういうところが王子様というより変質者っぽいんだよなあと心の中で思う。最近はそんな話を聞いても引かない程度に金剛三実という人に耐性ができた。

脱衣所を出ると、三実さんが歓声をあげた。

「美しい!」

威勢よく近づいてきて、私の頬やら髪やらを触りながら「可愛い」「愛らしい」を連呼する三実さん。相変わらずずばずばと商品に対する感想みたいに褒めるけれど、これが彼なりの精一杯の自分の律し方なのだとわかったのは最近。

「スカート丈もちょうどよかった。本当によく似合う」
「ありがとうございます。でも、あんまり高いものを頻繁にもらうと困ります」
「わかってる。幾子がそういうから、おまえが着ていた若い女子向けのブランドを調べて、その価格帯の店で買うようにしているよ」

徹底してるというか、ストーカー的だ。堂々と言うあたりまったく悪びれていない。
そういう人なんですよね、三実さん。幾子はかなり慣れてきましたよ。