猛獣御曹司にお嫁入り~私、今にも食べられてしまいそうです~

土曜の晩には遅れていた月のものがきて、私が検査に大きな病院に行けたのは木曜日だった。
仕事が休みの日だからよかったけれど、やはりかなりの待ち時間。産婦人科の待合室なので、妊婦さんが多い。
朝から昼近くまで待ち、ようやく診察室に呼ばれる。

「子宮も卵巣も綺麗です。すぐに妊娠をご希望でしたらタイミング療法から始めてみましょうか」

若い男性医師はあっさり言う。

「いえ、まだすぐにと言うわけでは……」

問題がないなら、このままのんびり妊娠を待っていてもいい。
しかし答えながら、三実さんの顔が浮かぶ。赤ちゃんができたら三実さんは喜ぶだろう。きっと狂喜乱舞だ。この前、がっかりさせてしまった分、早く喜ばせてあげたい。

「あの、やっぱり、そのタイミング療法ってものを詳しくお教えいただけますか?」
「もちろんです」

医師は、私に心変わりの言葉に笑顔で頷いた。