猛獣御曹司にお嫁入り~私、今にも食べられてしまいそうです~

「せっかくですから、妊娠前に婦人科健診をお受けになるのはいかがですかね。ここより詳しく調べられる病院で」

お医者様に言われ、私は頷いた。子宮のチェックや、風疹や麻疹の抗体検査をした方がいいっていうのは聞いたことがある。いい機会だから受けてみたい。

「紹介状をお出ししますので、少々お待ちくださいね」

私と三実さんは、紹介状を手にその日は帰宅となった。


帰宅してからも、用意しておいたケーキを出した。私はほっとしていても、三実さんは赤ちゃんができていなかったことにしょんぼりしているかもしれない。
そんな様子は見えないけれど、つい彼の気持ちを推し量ってことさら明るい声を出してしまう。

「ほら、お祝いのケーキ食べちゃいましょう」

コーヒーを淹れ、半年祝いの続きだ。

「ケーキは買ったものですけど、おいしいって評判のお店のものですからね」
「ああ。楽しみだ」

三実さんはいつもの明朗な笑顔だ。期待していた分残念なはずなのに、そんな様子はおくびにもださない。
明るく笑い合いながらケーキを食べて、月経の後には紹介してもらった産婦人科に行くことを考えた。