「そんなわけで、幾子!今日からよろしく頼む!家事全般、俺も手伝うが、どうしても幾子が主体になってしまうだろう」
いきなり切り替えられて、私も居住まいを正す。
「はい、頑張ります!」
元より、家事全般を引き受ける専業主婦になるため嫁いできたのだ。ひと通り学んだことを活かせば、きっとできるはずだ。
「遅くなる日は必ず連絡する。夕食は要不要を昼過ぎには言う。急な用事で食べられない場合は、翌日の朝食に出してくれ」
「はい」
「ワイシャツのアイロンなどは時間のある時にまとめてでいいし、手がまわらなければ、俺もできる。掃除もこだわりはないから、毎日ちりひとつなく、と気張らないでいい。布団を毎日干せとも言わない」
「はい」
先生から生徒への指導みたいな物言いに、いちいちはっきり返事をする。ちょっと楽しくなってきた。
「ペットに関しては、当分やめておいてくれ。犬も猫も、その他の小動物も、嫌いではないが」
「アレルギーですか?」
「幾子を取られたくない」
ちょっと寂しそうな顔で見つめられて、私の心臓はいきなりどくどくと早鐘を叩き始めた。
たまに見せるそういう顔はずるい。可愛くて思わずときめいてしまった。ドキドキする胸を押さえて、私は視線を逸らす。
「そんなこと言ってると、赤ちゃんが産まれたとき大変ですよ」
「そうだな!今から覚悟せねば!」
いつもの明るい笑顔に戻る三実さん。ああ、心臓に悪い。
いきなり切り替えられて、私も居住まいを正す。
「はい、頑張ります!」
元より、家事全般を引き受ける専業主婦になるため嫁いできたのだ。ひと通り学んだことを活かせば、きっとできるはずだ。
「遅くなる日は必ず連絡する。夕食は要不要を昼過ぎには言う。急な用事で食べられない場合は、翌日の朝食に出してくれ」
「はい」
「ワイシャツのアイロンなどは時間のある時にまとめてでいいし、手がまわらなければ、俺もできる。掃除もこだわりはないから、毎日ちりひとつなく、と気張らないでいい。布団を毎日干せとも言わない」
「はい」
先生から生徒への指導みたいな物言いに、いちいちはっきり返事をする。ちょっと楽しくなってきた。
「ペットに関しては、当分やめておいてくれ。犬も猫も、その他の小動物も、嫌いではないが」
「アレルギーですか?」
「幾子を取られたくない」
ちょっと寂しそうな顔で見つめられて、私の心臓はいきなりどくどくと早鐘を叩き始めた。
たまに見せるそういう顔はずるい。可愛くて思わずときめいてしまった。ドキドキする胸を押さえて、私は視線を逸らす。
「そんなこと言ってると、赤ちゃんが産まれたとき大変ですよ」
「そうだな!今から覚悟せねば!」
いつもの明るい笑顔に戻る三実さん。ああ、心臓に悪い。



