「幾子お嬢さんがひとりで解決できることなんやな」
「うん」
諭は眉間に皺を寄せて不本意そうに答える。
「そういうことならしゃあない。言いたくなったら言え。“お兄ちゃん”はおまえの味方や」
「……ありがとう」
空気を変えるように寒河江さんが立ち上がった。
「ほら、おまんじゅう食べよ。幾子お嬢さんが何日かいてくれたら、志村さんも一日くらい顔出せるやろ。私も夕食、腕振るえるわ。いいことづくめやなあ」
「寒河江さん、ありがとう。ごめんね」
「お夕飯リクエストしてな」
私の我儘に付き合ってくれる人たちはこれほどたくさんいる。結局私は甘やかされたお嬢さんなのかもしれない。志信さんのことを何も言えない。困ったら自分の味方のところへ逃げてしまうのだから。
仕事の昼休みに抜けてきてくれた諭は、昼食を済ませるとすぐに戻っていった。
私はというと、昼食を済ませると再び強烈に眠くなってきた。身体が本調子じゃないのがよくわかる。すごくだるい。
私はのろのろと自室に戻り、午後も時間の許す限り寝暮らすことにした。
三実さんのことを考えた。携帯電話は鞄の中に入れっぱなしだ。
ベッドから這いだし、一応チェックしてみる。
ずらりと並んだ着信履歴は100件以上。想像通りだ。
三実さんの溺愛は、執着だ。本人も言っていたけれど、恋しいあまりに偏執的になってしまうと言う。ストーカー気質とも言い切れない。とにかくオープンマインドに執着されている。
三実さんの中で私の存在は、かなり根深く食いこんでいるのかもしれない。
「うん」
諭は眉間に皺を寄せて不本意そうに答える。
「そういうことならしゃあない。言いたくなったら言え。“お兄ちゃん”はおまえの味方や」
「……ありがとう」
空気を変えるように寒河江さんが立ち上がった。
「ほら、おまんじゅう食べよ。幾子お嬢さんが何日かいてくれたら、志村さんも一日くらい顔出せるやろ。私も夕食、腕振るえるわ。いいことづくめやなあ」
「寒河江さん、ありがとう。ごめんね」
「お夕飯リクエストしてな」
私の我儘に付き合ってくれる人たちはこれほどたくさんいる。結局私は甘やかされたお嬢さんなのかもしれない。志信さんのことを何も言えない。困ったら自分の味方のところへ逃げてしまうのだから。
仕事の昼休みに抜けてきてくれた諭は、昼食を済ませるとすぐに戻っていった。
私はというと、昼食を済ませると再び強烈に眠くなってきた。身体が本調子じゃないのがよくわかる。すごくだるい。
私はのろのろと自室に戻り、午後も時間の許す限り寝暮らすことにした。
三実さんのことを考えた。携帯電話は鞄の中に入れっぱなしだ。
ベッドから這いだし、一応チェックしてみる。
ずらりと並んだ着信履歴は100件以上。想像通りだ。
三実さんの溺愛は、執着だ。本人も言っていたけれど、恋しいあまりに偏執的になってしまうと言う。ストーカー気質とも言い切れない。とにかくオープンマインドに執着されている。
三実さんの中で私の存在は、かなり根深く食いこんでいるのかもしれない。



