八つ当たりのように、双子の片方を指名した教師。
顔が真っ赤になっていて、俺は耐えきれず「ははっ」と笑った。
当てられた双子の片割れも、まさか当てられると思っていなかったのかおどおどしている。
「は、はぁ……? わかるわけないし……」
自業自得だ。つーか、恥ずかしい奴。
俺は笑うのをこらえて、必死に正解を導こうとしているそいつを見た。
「r(l-p)?」
「全然違う! 罰として、放課後は雑用だ!」
案の定不正解になり、恥ずかしそうに席についたそいつ。
「なんだよこの問題……」
頭をかかえているそいつを、由姫が心配そうに見つめていた。
「あれは応用問題だよ。ひとつずつ展開して……」
しかも、親切に教えていて、お人好しは健全だなとため息をつく。

