総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



 八つ当たりのように、双子の片方を指名した教師。

 顔が真っ赤になっていて、俺は耐えきれず「ははっ」と笑った。

 当てられた双子の片割れも、まさか当てられると思っていなかったのかおどおどしている。



「は、はぁ……? わかるわけないし……」



 自業自得だ。つーか、恥ずかしい奴。

 俺は笑うのをこらえて、必死に正解を導こうとしているそいつを見た。



「r(l-p)?」

「全然違う! 罰として、放課後は雑用だ!」



 案の定不正解になり、恥ずかしそうに席についたそいつ。



「なんだよこの問題……」



 頭をかかえているそいつを、由姫が心配そうに見つめていた。



「あれは応用問題だよ。ひとつずつ展開して……」



 しかも、親切に教えていて、お人好しは健全だなとため息をつく。