総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜




「ふっ、かわいそ。こんな問題まだやってないじゃん」

「さすがに性格悪いなあいつ」



 後ろから、双子の声が聞こえた。

 こいつら、マジであとで締めるか。

 海とかいう男は、心配そうに由姫のほうを見ている。

 由姫が立ち上がり、教室はますます騒がしくなった。



「やばい、わからなくて困ってるよ」

「かわいそ~」

「あんなん解けるわけないのにね」



 うぜぇ……全員物理的に黙らせてやりたい。

 でも、俺がそんなことをする必要はないだろ。

 黙らせなくても……たぶんこいつら、数秒後には黙ってる。



「E(x2)-μ2です」

 すぱっと、そう即答した由姫。

 その場にいる誰もが、口を閉ざした。