「うん、よろしく……!」



 うれしそうに言った編入生。

 それにしても、メガネでかいな……顔が見えない。

 かろうじて笑っているのはわかるけど、どんな目をしているのかはまったくわからない。

“頭のいい編入生”

 その時までは、そんな印象だけだった。

 氷高に連れられ、教室を出ていった由姫。

 ……なんだあれ。

 俺は自分の目の前で起きていた光景が信じられず、思わず目を見開いていた。

 “あの氷高”が……どこの族にも所属しない“孤高の一匹狼”と言われている氷高が、由姫の忠犬のようになっていたのだ。しかも、うれしそうな顔をして…。

 どういう関係なんだ、いったい……。

 ていうか、氷高って、あんな顔すんの……?



「なあ、氷高キャラ違うくないか……?」



 弥生と華生に言えば、ふたりも驚いたのか唖然としていた。