ひとりはマスクをしているから、見分けはつくけど……マスクがなかったらどっちがどっちかわからなくなりそう。
ふたりを見ながらそんなことを考えていると、「見てんじゃねーよブス!」と一蹴された。
ぶ、ブス……ひどいっ……。
「おいやめろって。いい加減怒るぞ」
海くんはふたりに言ったあと、「気にするなよ?」と優しく言ってくれた。
やっぱりいい人だ……。
「な、由姫って呼んでいい? 俺のことも海って呼んで」
「うん!」
笑顔で頷くと、海くんも同じものを返してくれる。
海くんはそのまま、後ろのふたりを指さして口を開いた。
「この双子は、弥生と華生」
あ……やっぱり双子なんだ。って、こんなにそっくりなら当たり前か。

