総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



 ひとりはマスクをしているから、見分けはつくけど……マスクがなかったらどっちがどっちかわからなくなりそう。

 ふたりを見ながらそんなことを考えていると、「見てんじゃねーよブス!」と一蹴された。

 ぶ、ブス……ひどいっ……。



「おいやめろって。いい加減怒るぞ」



 海くんはふたりに言ったあと、「気にするなよ?」と優しく言ってくれた。

 やっぱりいい人だ……。



「な、由姫って呼んでいい? 俺のことも海って呼んで」

「うん!」



 笑顔で頷くと、海くんも同じものを返してくれる。

 海くんはそのまま、後ろのふたりを指さして口を開いた。



「この双子は、弥生と華生」



 あ……やっぱり双子なんだ。って、こんなにそっくりなら当たり前か。