《サラ、声が眠そう》

「そうかな?」

《うん。今日はもうおやすみ。また明日も電話するね》

「うんっ、おやすみなさい」

《大好きだよ、サラ》



 その声を最後に、電話が切れた。

 本当はすぐにでも会いに行きたいけど……舜先輩がああ言っていたし、教室に会いに行くことができない状況じゃ今は会いにいきようがないな……。

 校内では、春ちゃんがいないか常に目を凝らしておかなきゃっ……。

 春ちゃんにも、早く見つけてもらえますように……。

 春ちゃんは、この姿でも私だって気づいてくれるかなっ……。

 そんなことを考えながら、私は幸せな気持ちで眠りについた。



 ――まさか、あんなことになるなんて知らずに。