けれど、彼は私の事なんて、視界にすら入れようとはしていない。
まるで、見えていないものとして扱われているような気が……。
「理事長から話は聞いてるか?」
「ああ……」
「ならいい。こいつだ」
舜先輩が私の肩を叩き、ようやくこっちを見てくれた蓮さんと呼ばれる人は、相変わらずだるそうな態度を改める気はないらしい。
「白咲由姫です。よろしくお願いします」
軽く頭を下げると、舌打ちをする音が聞こえた。
「……俺には用事がない限り話しかけてくるな。あと……うるさくしたら追い出す」
えっ……や、野蛮……。
見下ろす視線は、相手を凍らせてしまうほど冷たい。
けど、“怖い人”は慣れっこだから、別になんとも思わなかった。
生徒会長さんがこんなに無愛想な人だって言うのは想定外だったけどっ……。

