どうしよう……なんとしてでも、サラだってバレないようにしなきゃ……。
勝手に伝説にされているなんて迷惑極まりないけど、詐欺罪で訴えられるのは嫌だから隠し通さなきゃっ……。
舜先輩にも、目を覚ましてもらわなきゃっ……。
「で、でも、じつはたいしたことない人なのかもしれないですよね、みんな夢見すぎなんじゃないですかっ……」
「……おい、サラのことを悪く言うな」
急に声が低くなった舜先輩に、びくりと肩が震える。
「す、すみませんっ……」
自分を貶して怒られるなんて……り、理不尽っ……。
「一度しか会ったことはないが、あいつは俺にとって運命のような相手なんだ。サラにとってはそうじゃないかもしれないが……天王寺の女だとしても、諦められない」
舜先輩……。

