総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜

 避けようとその人の顔を見た時、私は見覚えのある顔に思わず声が出てしまった。



「……あ」



 数学の先生だ。

 あの……みんなから意地悪だと言われている先生。

 あとから聞いた話だけど、初日に私を当てたのは意地悪だったらしい。

 地味な生徒はこき使っていると拓ちゃんから忠告されたから、できるだけ関わりたくない。

 視線を逸らして素通りしようと思ったけど、向こうも私に気づいたらしい。



「お、おい待て!」



 えっ……わ、私?

 すれ違いざまに呼び止められ、振り向く。



「コホンッ……こ、これを、生徒会室に持っていくように」



 先生が持っていた資料を、半ば強引に押しつけられた。



「え……ど、どうして私ですか……?」