「学園の方針で暴力沙汰すら起きないが、内部ではたまに抗争が起こってるのが現状だ」
たまに……か。
普通暴走族同士は、会えば一触即発。ケンカが日常茶飯事。
だけど、たしかfatalとnobleは前の総長同士が仲良しで、事実上協定が結ばれていた。
今はどうか知らないけど、そのおかげで仲が保たれているのかも。
1つの学園内に共存できているのも、頷ける。
納得したのもつかの間、私は次の舜先輩の言葉に目を見開いた。
「そしてここからが本題だが、fatalという族に所属している奴には極力近づかないほうがいい。奴らは野蛮だからな。何かあればすぐに手が出るし卑劣な方法を使ってくる。巻き込まれると危ない」
……え? fatalが野蛮?
そんなはずは……。
みんな優しくて、私のことを妹のようにかわいがってくれる人ばかりだった。
春ちゃんだって、これでもかってくらい優しい。
それなのに、fatalはまわりからそんなふうに思われてるの……?

