総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜

 大事に大事にされているような、錯覚に襲われる。

 そして、そんな自惚れたことを考えてしまう自分が嫌だった。
 あああっ、ごめんね春ちゃん……! 私が好きなのは、春ちゃんだけだからねっ……!

 ——プルルル。

 は、春ちゃん……!?

 まるでタイミングを見計らったように、鳴ったスマホ。

 私は慌てて、電話にでた。



「も、もしもし?」

《もしもしサラ? ……どうしたの?》

「え?な、何が?」

《声が上擦ってるっていうか……何かあった?》

「う、ううん、何もないよ!」



 少しの罪悪感を抱きながら、そう答える。



《そっか、よかった。今家?》

「うん、そうだよ」

《暇だったら話そう。ダメ?》

「ダメなわけないよ。話そう」



 私はそう返事をして、春ちゃんと長電話を始めた。