だって俺は、今心底満たされてる。由姫がそばにいるだけで、自分とは無縁だった“幸福”を感じた。



「由姫」

「はい?」

「覚悟しといて」

「え? 何をですか?」



 首をかしげる由姫は、どう見てもかわいい。

 俺をここまでさせた責任は、ちゃんととってもらわないといけない。

 今はまだ、隣人兼たまにメシを食べる奴でも構わないけど




……絶対に、俺のこと好きになってもらうから。



 そう心の中で呟いて、由姫の小さな頭を撫でた。