「今日のメシ何?」



 俺の言葉に、由姫は「あっ」と声を上げた。



「今日はオムライスです! 友達が食堂で食べてたの、おいしそうだったので」



 えへへと笑う姿に、胸がぎゅっと締めつけられた。

 最近よく感じるこの痛みはなんだと思っていたけど、たぶん由姫のかわいさが心臓に来てるだけだな。



「俺にも作って」



 そう言うと、由姫はにっこりと微笑んだ。



「はいっ」



 ……あー、ダメだ。

 恋愛って、こんな頭花畑みたいになんのかよ……。

 俺が誰かを好きになるとか、柄じゃなさすぎることはわかってる。

 でももう、由姫と出会う前には戻れないな。

 いや……戻りたくない。